随想四季

祖母の詩

髪を結う

幼い頃してあげたようにあなたの長い髪をとかす今もしつとりと可愛く指にまつわる細い髪よあなたの心のように優しくゆたかにのびて手の中で匂う髪よ家と苦労種の私を支えて娘はもうすぐ二十九あなたが泣かないのにどうして私が泣けましょう昔してあげたように
祖母の詩

菜の花

生まれてすぐに天国へ旅立った私の叔父。それでも私はあなたの事をよく知っています。それは祖母が話してくれたから。愛しく話してくれたから。
祖母の詩

桃の花

朽ちかけたお寺の縁側に腰かけて大きなお握りを両手に乗せてほうばっているのは幼い日の私甘い金時豆が沢山まじっていたまるで桃色の宝物ようなお握りに思えた其の日は何の日だったのだらうかお寺の接待日なのか誰かの供養日だつたのかそれにしても人一人居な
祖母の詩

矢車草

祝えなかったこどもの日を忘れられなかった祖母の思いを見つけました。
祖母の詩

朝鮮のおじいさんへ

若かりし祖母の遠い日の詩。赤い表紙に守られた祖母の想い。いま孫の私の手元で開かれています。誰かに届けたかったあなたの気持ち。私が代わりに届けます。