赤とんぼ

祖母の詩

お星さまになった人が年に一度
赤とんぼになって帰ってくるのよ
だから取らずにおきましょう

ばあちゃんが私に言ったように
私も孫にそういう
まだ死の意味を知らない幼い目に
うすいとんぼの羽は美しく
はなしてやった二本の指が
すいすいと空を切る
赤とんぼへの夢を追う

遠い遠い日が来て
いつか孫が私の年になり
不幸にして我が子を失ったら
あなたも切ない気持ちで
そう言うのかもしれません

「だから放してあげよう」と

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