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入院中の母親の口腔環境が悪くなり、現在入院している病院では処置や治療は難しいと、ある日母が入院している病院から連絡が入りました。扁平苔癬でお世話になっている口腔外科へ、バタバタと母を連れ出さなくてはならなくなりました。
病院から病院への移動。その手配は個人でしなければならないとのこと。
そんなの初体験なんですよ。入院中の病院から別の病院へ通院するとか。自力で動くことが出来なくなっている母をどうやって連れ出せばよいのだろう・・。
家族の長期入院やそれに纏わること未体験の私には、その問題ひとつひとつが重たい試練として圧し掛かってきます。
すみません(汗)どうやって母どうやって別の病院を受診・・というか、いま車椅子で動くのも辛そうな母を院外へ連れ出せるんでしょうか(泣)
ストレッチャー付のタクシーで行ってください。使ったことあります?
あるわけがない。母は元気だった。病院に行くときは私の車で行っていた。年の初めに救急搬送された時も、退院する時は私の車に乗って帰宅した。今の病院に入院する時も、車椅子を使って移動していたけれど、私の付き添いで私の車に乗っていた。
あっという間に変化した母の体調。それに追い付かない私の体力と気力と知識。
病院は(当たり前ですが)こんな事には慣れっこのようで、病院がよく利用している介護タクシー会社に配車手配をおこない、院外通院の道筋をつけてくれました。
ストレッチャー付きの介護タクシーに乗りました
ここからは、その介護タクシーを利用した時に起きたこと、それとその際に感じたことを感じたままに書きたいと思います。その日のことを何処かに吐き出してしまわないと、私の胸の奥底にある何かが収まりつかないので。
その人に届かなくてもいいんです。自分の心をデトックスしておかないとやり切れない。
A病院からの指示
母の「入院中のA病院からB病院へ診察へ行く」は、急遽指示されたことでした。その急に指示をされた「口腔外科を受診する」という理由は、私にとって胸が潰されることに等しい内容です。
そのような状況で、利用したことがない介護タクシーの手配を自力でおこなう余裕はありませんでした。なので、病院が推奨(よく利用しているらしい)する介護タクシー会社へ配車の手配を病院にお願いしました。
- 口腔外科の受診は10:30に予約手配済み
- 介護タクシーはA病院に9:15に到着するよう手配済み
- 母の乗車準備をしている間、入院証明書等の受け渡しをおこなう
- 付き添いの家族は9:30までにA病院へ到着すること
- A病院を9:45頃に出発できるように準備する予定
上記の内容で、A病院の受付の人から連絡が入りました。翌日、私は9:20にA病院へ着き、B病院へ出発するその時を待ちました。
あちこち凹んだ介護タクシーが遅刻して到着
病院が手配してくれた介護タクシーは、その日9:47に現れました。そこから母の準備が始まりました。当然ながら、すべての時間割が狂います。
母の外出準備を手伝ってくれた看護師さんたちは、ニコニコしながらイライラしていました。彼女たちもまた、介護タクシーが予定時刻を過ぎて到着したので、自分たちの業務に支障が出ているよう。
そんな私たちに構うことなく、このA病院に馴染みのある介護タクシーの運転手は、病院の受付の人に世間話を始めています。
最近の天候の事
自分の近況
大谷選手の事
「〇〇タクシーさん、今日の利用者の方のご家族ですっ(イライラ)」と、母の担当看護師さんが運転手に声を掛けました。
「ああ、こちらにいらしたんですね(ニッコリ)では行きましょうか♪」
ハズレくじを引きあてた私たち
私は人に対して「アタリ」「ハズレ」という言葉を使うのは好きではありません。「〇〇ガチャ」という表現も好きではありません。
でも今回ばかりはハッキリと思いました。
ああ、私たち親子は介護タクシー会社ガチャに失敗し、今日担当してくれる運転手についてもハズレくじを引いてしまったんだと。
今までの人生においてストレッチャーを使用する人といえば「医療従事者」か「救急隊員」でした。その人たちが使うストレッチャーの使い方。それは「医療従事者」や「救急隊員」が使うからそういう扱いだという認識ではなく、それがストレッチャーの正しい扱い方だとイメージしてました。
介護タクシー会社を運営している会社やそこに携わるスタッフは「医療従事者」や「救急隊員」といったカテゴリの人ではありませんが、車いす然りストレッチャー然りといった「福祉器具の扱い方」を、私たち素人よりはるかに研修を積んでいるものだと思ってました。その福祉器具の構造等の知識もしっかり持っているものだと思っていました。
それが「未経験の私が押して移動した方がまだマシ」と、そう思わせる運転手にアテンドされてB病院へ向かったんです。
初めて人に対して「ハズレくじ引いた」と思った私とストレッチャーに乗った母を乗せて、介護タクシーは雑なアクセルの踏み込み具合でA病院を出発しました。
それは10:10を過ぎたタイミングです。
24時間365日対応の介護保険外のオーダーメイド介護サービス【イチロウ】砂埃をかぶった車体、凹んだドア、壊れたシートベルト、不衛生な車内
初めて利用した介護タクシーです。この時点では他社と比較することも、決めつけることもできませんが、ああ、これはキツいなあ・・完全にハズレだわと思いつつ、「お願いします」と救急車以外のストレッチャーで初めての移動が始まりました。
最後に洗車したのはいつなのかと聞きたいくらい砂埃が均一についている車体。明らかに自損事故で付けたと思われるドアの凹みがいくつか。そして、壊れたに等しい状態でむりやり機能させているシートベルト。
「その席のシートベルト、締めるときはアレですけどちゃんと締まりますから(ニッコリ)あ、でもいったん締めたら伸びも縮みもしなくなるので、体勢ちゃんとしてから締めてくださいね(ニッコリ)」
その「締めるときはアレ」なシートベルトが付いている席から車内を見渡すと、蓋の締まっていない筒状タイプのウエットティッシュ・中身の入っていない清涼飲料水のペットボトル・くしゃくしゃにされたどこかの店のチラシ・3本の長い髪の毛・・・
パッと見渡しただけでも、それらを車内で確認できました。
車体もだけど、車内の掃除を最後にしたのはいつだろう・・・この会社はどんな方針と信条で介護や福祉の業界に参入しているのだろう・・・そう思っていたら、おもむろに運転手が自己紹介を始めました。
その運転手は代表取締役でした。
空気を読まない運転手
その運転手。配車手配をした時間に遅れた理由には全く触れません。
道路状況で遅延するのは仕方ないことです。でも私の住んでいる地域は地方の田舎で、予測不可能な渋滞が起きる道路はほぼありません(交通事故が起これば別ですが)
私の住んでいる地域で30分の遅延が起きるとき。それは蕎麦屋の出前に相当します。そして約束の時間に約30分遅れたことなど、どこ吹く風のご様子で話しまくる運転手。
私、脱サラしてこの会社始めたんです♪そして〇〇(病名)なんです♪今薬飲んでるんです♪心筋梗塞にもなったんですよ♪でも元気なんですぅ♪
その日、母の誕生日だった
1か月以上の入院を頑張り、A病院では太刀打ちできない(専門外)のでB病院へと向かわなくてはいけなくなった母。
入院しているA病院の入院病棟の患者がコロナを新型コロナを発症し、週に一度の面会も出来なくなった私たち家族に巡ってきた神様からの贈り物。病院受診のためとはいえ、誕生日当日に母とふたりでドライブができたのです。
もちろん、介護タクシーの運転手はそんなこと知りません。
病気は心配だったけれど、健康ではないけれど、誕生日に一緒にいられる喜びを更に有意義な時間にしたかったので間接的に伝えました。
おかあさん、ずーっと寝たまんまだったから、今日が何月何日かわからないでしょ?今日は〇月〇日よ!おかあさんの誕生日!
87才、誕生日おめでとう!!!
(わあ♪)
口が痛くて声が出せなかったけれど、今日が自分の誕生日であることを理解してにこっと笑った母。行きつく先は病院だけど、サプライズでドライブだねぇ・・と母娘ふたりで笑ってたんです。
この「今日は母の誕生日」と声に出したことにより、きっと気を利かせてくれるだろうと思いました。それで配慮してくれるだろう、運転に専念してくれるだろうと。
でも私のこの考えは、介護タクシーの運転手には通用しませんでした。
私は先月が誕生日だったんですよー♪久しぶりに誕生日に仕事が入ってなくて家族で温泉に行きましてね、%&$▼6”◇◎§⁂&$K♡+4B&Ψ■%&$▼⁂&$K#<&$▼⁂6”◇◎§⁂M%&●=φ@♡+4B&Ψ■%&$▼⁂F#?~§⁂M%&●=φ@$K#<&3GH!◇◎§⁂M%~~~~♪
どうやっても自分の話をしたがる運転手
A病院からB病院までの道のり約20分。その約20分のあいだで
- 脱サラして介護業界に参入した
- 入退院を数年前まで繰り返していたが今は元気
- 現在病気で服薬治療中である
- 自分が以前勤めていた会社のボーナスは高かった
- 今の勤め人は可哀想
- 自分の会社に某有名建設会社で1級建築士をしていた人がいる
- 母が入院しているA病院に入院していたことがある
- 母が向かうB病院にも入院していたことがある
- 来月は他県で仕事を依頼されている
- 他県の仕事は身体障がい者の送迎なのでちょろい(原文まま)
ということを、私が母に向かって話しかけている最中に割り込んで伝えてくるんです。本当にハズレです。介護タクシーガチャ失敗です。
2,3回は無視したかな。でも話してくるんです。すべてに相槌を打ちたくないけど、ハンドルを握っている人の機嫌をもし損ねたら・・という不安と、人の話を無視するってどうなの?的常識が働き、その運転手の話に付き合いました。
キツかったですよ。もう本当に辛かったし腹も立った。介護業界云々の前に、接客業としてドライバーとしてのスキル大丈夫?と思いました。
状況を察してほしい。運転に集中してほしい。そう思っていた時、その運転手は言いました。
なんかちょっと(診察時間)間に合わなさそうなんで飛ばしますねー♪
介護タクシードライバーとしての資質
予約した診察時間に間に合わないのは、アナタが当初の時間通りにA病院に到着しなかったから。
A病院出発したの10:10頃でしたからね
(無視)
今日、私たち親子が利用しているタクシーは介護タクシーで、なおかつその主たる利用者は座った状態を保てないのでストレッチャーを利用しています。
そしてあなたが同乗させている人物は、あなたの家族ではなく客であり、病を抱えたデリケートな人なんですよ。
なのに飛ばす??
その運転手はスピードを上げるだけではなく、細かな車線変更を繰り返しながら進んでいきました。固定していても左右に揺れるストレッチャー。さっきまで晴れた空を見て笑みを浮かべていた母の眉間が、キュッと締まってしまいました。
私はシートベルトをはずして、母ができるだけ揺れないように必死でストレッチャーを支えました。
キャリーケースのように引っ張られる母
B病院に到着しました。10:30です。
時間ピッタリでしたね♪
診察の予約時間が10:30なので、通常であればその前に到着し、受付を済ませて受診する科の待合室にいる時間です。たくさんの病院にかかり、今も通院しているのであれば、診察予定時刻に病院に到着することは「ちょっと違うよなー」とは思わないのでしょうか。
私の不満に気づくことなく、その運転手はどこの何にも注意を払わず、病人が横たわっているストレッチャーを、ガラガラと片手で引いて歩いて行きます。高齢者・車椅子・妊婦・小さな子供・松葉杖の人・・・ストレッチャーを押している者であれば、ストレッチャーに乗っている者にも、周りの状態にも配慮しながら進まないといけないはず。
全方向に「配慮」というそれは見当たりませんでした。
運転手は、注意力散漫にストレッチャーを片手で引っ張りながら進むのですよ。私に「時間が過ぎてますから急いで受付しないとマズいですよ」と言いながら・・・。
ストレッチャーを移動させる時、2人で担当するのであれば患者の頭側と足側にひとりずつの配置。ひとりでストレッチャーを移動させなければならない場合は、患者の頭側について両手でストレッチャーを持ち、押しながら前進するものだと思っていました。
ストレッチャーを押す
ストレッチャーを引く
介護業界、医療従事者の皆さん。要介護者や患者をストレッチャーで移動(運ぶ)させる場合、どちらの表現を使っていますか?
私は「ストレッチャーを押す」という表現が妥当だと考えます。
でも残念ながら、私の母のストレッチャー移動を託した運転手は「ストレッチャーを引いて」母を診察室前まで連れて行ったんです。
エレベーターに乗せこむ前、私は「自分で連れて行くのでこの先は結構です」と断りを入れました。エレベーター前に待機する際、壁にストレッチャーを当てたり、母の腕がストレッチャーから落ちたりしても、お構いなしに進んで行ったからです。
腕がだらんとストレッチャーから落ちてしまったので、当然進むことにストップをかけました。その時そのタクシー運転手はなんて言ったと思います?
皆さんそうやってよく骨折するんですよー♪
ストレッチャーに横たわっている際、だらんと落ちた腕が骨折するのは、その運転手曰くよくあることなのだそう。その「よく骨折する」現象に、自分は一切関わりないような感じで、面白おかしくゼスチャーを交えて話をしてくれました。
介護タクシー事業者の皆さん、ストレッチャーに乗った人が腕を骨折するのって、よくあることなんですか?
予約時間を過ぎた受付は事がうまく運ばない
病院側は母の体調を理解してくれましたが、診察室の状況(ストレッチャーのまま入るスペースを確保できる治療台)や、他の患者さんのとの兼ね合いあるので、すぐに「はいどうぞ」とは呼んでくれません。当たり前です。予約時間を過ぎて到着してるのですから、それなりに後回しになるのは仕方ないです。
で、ここである疑問が生じました。
母が受診を終えるまで、介護タクシーの運転手はどこでどうするつもりだろうと。
介護タクシーの利用が初めてだという事は、乗り込む前に伝えています。それでも道中、利用についての説明は一切してもらえませんでした。一応聞いたんですよ。病院に到着してから帰路につくまでの流れ。
あ、大丈夫ですよ。やりますんで(原文まま)
「流れ」をきいたのに「やる・やらない」で返してきた運転手。ずーっと私達のそばにいる気なんだろうか。そうなると、私はずーっとこの人の話に付き合わなければならないんだろうか。嫌だなあ・・どっかに行ってくれないかなぁ・・と思った矢先の出来事。
少し気疲れしている私の背後で、その介護タクシー運手は待合室の椅子に座り、居眠りを始めました。相手にしなくて済むと思ったのと同時に、椅子に座ってすぐ居眠りをするような体調の運転手に帰路を託さなくてはならない不安。
介護タクシー業界の人にお伺いしたい。みなさんもこんな感じで仕事してるんですか?介護タクシー運転手あるあるですか?
結果、約40分待つことに
病院で待たされること、予約時間を1時間程度過ぎる誤差は想定内と思っています。ただしそれはストレッチャーでしか動けない状態の母は除く、です。
もしかしたら予定通りに到着していても待たされたかもしれません。
でもいままでこの病院で、この病院の口腔外科で、予約時間に間に合うように手続きして40分も1時間も待たされたことなんてないんです。
母、とても辛かっただろうなあと思います。ストレッチャーで何時間も待機したことありますか?本来ストレッチャーって簡易的なものですよね?移動する器具としても、横になるベッド的役割としても。
そんな器具に、何時間と寝かされて身動き一つ取れない時間を過ごさなくちゃいけなくなったんです。この待たされた時間は、本来費やさなくてもいい時間だったはず。自力で歩けないし、車いすでの移動も難しいので、ストレッチャー利用の選択しかできません。
なので、身動きが取れない時間を過ごさなくてはいけないのは仕方ないと承知してましたが、この介護タクシーが時間通りにA病院へ到着していれば、もう少しストレッチャー上の時間を少なくできたはず。
そう思うと、やはりこの介護タクシー運転手には今でも怒りを覚えます。
眠った後はスマホでゲーム
この運転手が私たちと一緒にいる理由は何だろう。業務上?義務感?親切心?
たぶん状態でいえば「待機中」という時間なのでしょう。
でもだからといって待合室の席で我さきに座って居眠りをし、挙句の果てにスマホでゲームをし出すのはありなのでしょうか。
介護タクシー業界の皆さん、これも業界あるあるですか?
そんな運転手がゲームに飽きて再度居眠りをし始めた時、やっと母の名前が呼ばれました。
私の意向を確認せずに予約を入れる運転手
診察が終わりました。母が患っている疾患はひどくないけれど、口腔内の洗浄が一度ではできなかった(痛みで)ので「2週間後に再度来院してほしい」と医師から伝えられました。
それはまた、介護タクシーを利用してストレッチャーでこの病院に来なければならないということ。
口腔外科の受付の人から、A病院宛ての手紙と次回の予約日を書いた紙を渡されました。待合室でのやり取りですから、当然そこには運転手がいたんです。
今まで寝ていたでしょう?今まで遊んでいたでしょう?
なのに「次回の予約」の話をし出した途端、私と受付の人の会話に割り込んできたんです。
いつ?何時?いいですよ。そこ空いてるから予定入れときますねー♪
と、何の確認も断りもなしに、自分の会社の予定表に私達の予定を組み込みました。2週間先なら、もうA病院の力もあなたの会社の力も借りず、私が自分でまともな介護タクシーを見つけます。
そんな私の心の叫びを押しつぶすように
よかったですよね?どうせまたストレッチャー使いますよね?
ええ、ストレッチャーは使います。でもあなたの会社の介護タクシーは使いたくない。どこまでもどこまでも私の神経を逆なでする言動。
今日、あと1件予約が入ってるんですよ。忙しいんですー。さ、行きましょう!
もし私の母の診察時間があなたの思っている時間より超過したと感じているなら、それはすべてあなたがA病院に遅刻してきたせいだから。
私の意向を確認せずに予約を勝手に取り付けた運転手は、また母を引きずりながら会計窓口へ向かいました。
自分の不注意でぶつかりかけたB病院の看護師に
危ないですよ!気を付けて!
と、言いながら・・・。
介護タクシードライバーとしての資質アゲイン
やっと会計。やっとA病院に戻ることが出来ます。ごめんねお母さん。自由に動けない窮屈なストレッチャーの上で、よく我慢して頑張ってくれました。せっかくの誕生日が台無しになってしまった。
診察終了後、疲れと痛みでぐったりした母。もう私の呼びかけにも反応しません。ぎゅうっと目をつぶったまま。
会計を済ませてきますので、その間母の見守りをお願いします
もちろんもちろん!仕事ですから!
信用できるわけがない。案の定、私が会計窓口に向かったとたん、自ら誰かに電話をかけてゴルフに行く予定を立てていた。
遠く離れても聞こえてくる会話。午前の受付時間も診察時間も終わり、人の気配が少なくなった病院のロビーです。遠くの声を遮断するものは何もなし。
母に背を向け、話が弾むたびに少しずつ母から離れ、そしてまたストレッチャーから母の腕がぶらんと落ちて・・・。
別に至れり尽くせりを求めているわけじゃないんです。声が出まいと動けまいと、きちんと人を見る眼差しと心使いで接してほしい。ただそれだけなんです。
慌てて駆け戻ってきた私に気が付き、さすがにバツが悪かったのか、それ以後は最低限の行動をとるようになりました。もうこれ以上悲しい気分にさせないでほしい・・・そう願いながら、A病院に戻りました。
B病院へ行く途中、青空を嬉しがった母の瞳は閉じたまま。私も一言も発さず車に揺られていました。
最後の最後にまさかのふるまい
ああやっとストレッチャーとこの介護タクシー運転手から解放される!A病院の看護師さんたちが出迎えてくれたとき、また母と別れてしまう寂しさより、病院のベッドに戻れることに安堵しました。
またしばらく顔を見ることが出来ないけど、2週間たったらまたB病院へドライブできる時間ができると言い聞かせながら母を見送っていたその時です。
とんとこさん、ちょっとここでお待ちくださいね。お母さんを病棟に連れて行ってきますから!
と言いながら、運転手が「よし、これで両手が使えるっと♪」と独り言を言いながら、長財布を私の母のお腹付近の位置にポイッと放り投げたんです。運転手にとってストレッチャーは荷台のようです。
業務で使用している長財布。結構パンパンにいろんなものが詰まっているとみられる長財布。いとも簡単にストレッチャー利用者に向かって投げる。作り話だと思いますか?いいえ、全部本当の話です。
介護タクシーを利用する者にとって、私たち親子の体験が稀なことなのか。それともありがちなことなのか。このおこないで、母の誕生日を一気に台無しにされた深い怒りと悲しみが、私から離れなくなりなした。
さいごに
同情を買いたいとか、その業界を批判したいとか、そんなことは一切ないんです。介護タクシーについては、もうこの会社を利用しなければいいだけの話です。ただあまりにも切なく辛い気持ちを発散したくて、今回起こった出来事をブログに残すことにしました。
病気と闘っている年老いた母親に申し訳なかったなぁと思い、今回の介護タクシー運転手には天罰下れと願っています。
祖母の生きた証を残したくてブログを始め、両親の介護のために、最近の在宅介護事情をSNSで情報収集しようとX(エックス)を始めました。
X(エックス)に集う福祉関係と思われる方たちの頑張りや知識に助けられ、大変で過酷で離職率高いといわれているけど、みなさん熱い思いで業務に取り組んでいるんだなあと感心してました。でも私の住む世界には、残念ながらX(エックス)で見かけるような人達はまだ登場してくれません。
書類を作れば、毎回「訂正箇所(ようは入力ミス)があるので差し替えてください」と持ってくる担当ケアマネよりレベルが酷すぎた介護タクシー運転手。それが私たち親子を取り巻く現実世界の登場人物。
今回のB病院受診(1回目)の直後、今回利用した介護タクシーにはキャンセル(2週間後の利用分)の電話を入れました。それは別会社に予約を取り直したのではなく、母がB病院へ転院したためです。
転院した理由は決して良い理由ではないけれど、母も2回とこの介護タクシーに乗りたくなかったんだろうなと思いました。
そして残念ながら、10月現在もまだ母の入院は続いております。ですが、viva!在宅介護が復活できるように奮闘中(母もそれを望んでいると思うので・・)の毎日でもあります。
残された時間が有意義なものになるように頑張ります。そして、この介護タクシーを送迎利用する他県の身体障がい者の方が、私の母と同じ扱いになりませんように。
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