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2025年も終わりに近づく頃、私はようやく重い腰を上げた。目標はただひとつ「アルツハイマー型認知症で91歳の父にぴったりの椅子を用意する」こと。
しかし現実はそう簡単には進まない。でも進めた。エムールのお陰で進めることが出来た。
2025年、滑り込みセーフの椅子
日本全国が2026年に向かって準備をしているタイミングで、私はようやく「何としてでも2025年のうちに!!!」と掲げていた目標を現実のものにした。

「おとーさん!椅子を買おうぜ!」
そう宣言してから約3か月。その雄たけびは、見事なまでに買う買う詐欺となっていた。当初こそ、父も

「椅子はぁ?いつ新しくなるぅ?」
と、たまに言い寄ってきていた。けれど、もともと部屋の模様替えを嫌う人だ。その言葉はすぐに消えた。
私の体調は絶賛不良中。しかも期間限定30%増量していたりもする。不良がデフォルト。母が生きていた頃から、ずっと具合が悪かった。
そんな中、「椅子を買わねば!!」という気持ちだけが空回りし、勢いで発した自分の雄たけびに、いちばん私が耳を塞いでいた。
家具専門店という幻
本当は家具専門店で買いたかった。ガタガタ揺らして、引っ張って、座って、「よし!!」と全方向に指さし確認して椅子を購入したかった。けれど私の生活圏内にあるのは「家具コーナー」のある店だけ。「家具専門店」は存在しない。
かつて車で10分の場所にあった「家具専門店」は平成のどこかで姿を消し、今は中古車販売店になっている。
91歳の身体を預ける椅子だ
雑貨家具では心許ない
でも遠出する体力はない
グズグズになっている私のやる気と体力が、どんどんと父から椅子を遠ざけた。死に物狂いで生活圏外まで出向いて、わが父の椅子を調達するまでには至らなかった。
無理。
ネット通販という「してはいけない」決断
椅子に座る本人は「椅子を新調する」話題を忘れている日もある。しばらくこの件はシカトでいいか、と自分の身体を優先しかけたそのときである。

「椅子はぁ?いつ新しくなるぅ?」
と、いきなり父が言ってきた。
ああこれはマズいぞ。この感触は、今のタイミングで新しい椅子を提供しないといけないパターンだ。父はアルツハイマー型認知症だ。忘れたり執着したりを繰り返している人だ。執着のターンがやってきた。忘れるターンがすぐ来るかもしれないし、この執着ターンもフッと消滅するかもしれないけど、今回の

「椅子はぁ?いつ新しくなるぅ?」
は、言いうこと聞かないといけないやつだ。わかる。長年の勘でわかる。非常にまずいトーン。もう家具専門店での調達は断念。
仕方ない。いまだ「お値段以上」の価値を見出せたためしがないあそこか、父が車窓から「アエオン」と看板を読むあそこか、どちらかで選ぶしかないと腹をくくった。
しかし、どちらにも望みの椅子はなかった。
なら三木谷さんとこかぁ?もうポイント狙いのネット通販だ。でも、そこそこな大きさとそれなりのお値段のする椅子を買うのだ。フライパンや手袋をポチるのとは訳が違う。
「この商品をカートに入れる」というその一文に、指先が躊躇する。多少しくじった感を味わいながら無理くり使って馴染ませるなんて荒業は、父にも椅子にも通用しない。
返品になったらどうしよう
交換になったらどうしよう
そんな「あぁぁぁぁぁぁ・・・」を抱えたまま、2025年12月を着々と消費していた。
広告の顔をした救世主
金額とレビューを行ったり来たりしながら、とあるメーカーの商品で着地しようとしかけたその矢先・・・神様が広告の顔をして現れた。まあ、ずっと「椅子 高齢者」とか「椅子 おすすめ」だので散々検索をかけていたからそうなったんだろうけど、今、父が王様のように深々と座っている椅子(正確には高座椅子)が、ひゅんと私のスマホに飛んできた。
それが、【EMOOR】
の高座椅子だった。何度かスルーしていたその椅子に、何故だか心が引っ掛かった。
12月で年末で、いま注文しても商品の到着は年を越すよなあ・・と思っていた私の瞳に「いま注文したら12月29日に届きます!!」という文言が写り込んだ。
父の欲求が満たされ、なおかつ私の目標が達成される「いま注文したら12月29日に届きます!!」の文字。神様だった。
国内最大級2,000種類以上の寝具家具の通販サイト【エムール】
椅子の条件、すべて合格
背もたれが高い。170センチ近い父の背中をすっぽり支える。肘かけはいい具合にカーブしていて、腕を置く角度が自然だ。立ち上がり動作も腰掛ける動作もしやすそう。座面はしっかり厚みがあり、長時間座っても疲れにくそう。
脚はスキー板のような形で椅子全体を動かしやすい。掃除や配置換えをする私にとっても、この部分は偉大だった。リクライニングもついている。けれど今の我が家にはまだ必要ない。
ゆったり座れる座位がキープできそう。それで十分だ。
「あぁぁぁぁぁぁ・・・」が「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!」に変わった瞬間。勢いではない。運命だと気持ちを切り替えた。
決して望んではいなかったネット通販での椅子購入。だが家具専門店だ。実店舗で購入できなかったけれど、私は望み通りデジタルの中にある家具専門店で父の椅子を購入することが出来た。
それでもまだ少し「返品とか交換とかさぁ・・」は消えない。正直なところ、気力体力ない中年オンナがネットで購入していい大きさではないので、そこはね・・である。
六角レンチと中年オンナ
2025年12月29日。父の今年最後のデイケアの日。完璧なタイミングで到着。椅子(正確には高座椅子)が到着しても纏わりついてこないし、作業も自分のペースで出来る。
170センチ近い父の立ち座りをスムーズにするためには、高さを調節しなければならない。到着した状態の座高では少し低めだった。まあそうだろう「高座椅子」だ。リビングダイニングの椅子とは目指すところが違う。
で、ここから六角レンチと中年オンナの死闘が始まる。その闘いで数センチUPした状態が父にとってはベストな高さなのだ。飛脚のお兄さんが「大丈夫ですか?(汗)」と心配しながら玄関に置いてくれた座面の高さそのままで、父が座るのはダメなの。だから大丈夫じゃないけどやらなきゃいけないの。やるの。
興奮する犬を避けながら段ボールから高座椅子を出す。まだなんとか火事場の馬鹿力はひねり出せるが、それと同時に悲壮な本音もこぼれ出る。
ああ40代だったなら・・・
ああ腰が痛くなかったら・・・
ああ老眼じゃなかったら・・・
ぶつぶつ言いながらなんとか父に合う座面の高さにカスタマイズされた高座椅子完成。試しに座る。これは間違いないやつだ。父が「ひゃあ♪」というやつだ。なぜなら娘の口からも「ひゃあ♪」がでたから。
椅子が父に馴染んだのではない、父が椅子に馴染んだのだ
父は何の抵抗もなく座った。模様替えを嫌がる人なのに、物の配置が変わると落ち着かなくなる人なのに、デイケアから帰宅したそのカラダを何の抵抗もなく高座椅子に沈みこませた。
椅子が父に馴染んだのではない。父が椅子に馴染んでいった。

「おう♪いいねぇこれは」
と、「ひゃあ♪」とは言わなかったがたいそう喜んでくれた。
その背中を支える高い背もたれ
腕を預けるカーブした肘かけ
身体を受け止める厚い座面
動かしやすいスキー板のような脚

2025年12月の終わり掛けに滑り込みセーフで到着したエムールの高座椅子。そこで何事もなかったようにふんぞりかえって大晦日を過ごし、ニューイヤー駅伝をVIP席さながらで観覧した父。
私の選択は正しかった。
次のミッションへ

「これなら100歳も軽くこすよねえ♪」
と父は笑う。そうなってくれたらいいなと思う。この高座椅子も一緒にそこまでいてくれたら、なお嬉しい。
そして次のミッションは布団とカーテンの新調へと移行する。
仕事は果てしなく続く
介護も生活も終わらない
でも2025年。それはギリギリ滑り込みセーフだったけど、父の居場所が思った通りひとつ整った。
もう自分で自分を鼓舞させるしか選択肢はないけど、たった一脚の椅子が私の未来の心配をひとつ減らしてくれた。
これから進んで行く道が、たとえ狭くて険しい道になったとて、この高座椅子のように私と父を救ってくれる何かは必ず見つかる。ガンバレ中年オンナの私。
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