随想四季

祖母の詩

お祭り

当たり前だが、私にばあちゃんがいたように祖母にもまたばあちゃんがいたわけで。祖母が書き残した日記の文字に、自分に続く歴史を読み知る。
祖母の詩

ほたる

私がこの世に誕生する前の、祖母の日常の小さな時間の切り取りひとつ。柔らかくて優しいあなたに会いたい。
祖母の詩

赤とんぼ

母が赤とんぼになって私の元へ帰ってきてくれますように
祖母の詩

養鶏場にて

私の知らない祖母がそこにいた気がして、なんだか少し切なくなりました。
祖母の詩

夕暮れの中を

戦争で故郷に戻ることが出来なかった弟への祖母の気持ちです
祖母の詩

その花は

植物のことなら何でも知っていると思っていた祖母にも、その名を知らない木があったのですね。
祖母の詩

或る日或る時

珍しくむし暑い日だった。買物の途中、突然或る家から黒い塊が往来へ投出された。長くのびているのは猫である。ついと出てきた男は、くたくたになっている生き物を更に溝に投込んだ。まるでぼろ布でも捨てるかのように。猫は頭を上げて細い声で泣いた。黄色い
祖母の詩

つるばらの花

どれだけ貧乏でもその生活から花を遠ざけなかった祖母。辛い時代から認知症になるその時まで、祖母は花に囲まれ助けられて生きてきました。私も祖母が手掛けたつるばらを見てみたかったです。
祖母の詩

サルビアの花咲く日

何処までも青く澄んだ空の其のはるかな果を思う日まぶしいほど生々した眞赤な花に切れそうな望ノゾミをつなぐ日無心に土に帰る花びらもあり任せきった安らかな姿にふと静かなつぶやきを聞くのです  生まれてこのかた沢山な人に支えられ許して貰う事の方が多
祖母の詩

しその葉

しその葉は畑の隅に忘れられ言葉少なくつつましくほめそやされず生い立ちぬ   やがて花も見ぬままつみ取られもまれ、もまれて、しぼられぬ哀れその形なけれどひとくれのしそ、水に放ちし魚のごと生々と赤く拡がり沈みゆくゆるやかに実をば包み優しく静かに