菜の花

祖母の詩

永い年月の流れは

悲しみだけを押し流して

今日は彼岸

春が投げてくれた黄色い花をあなたにあげよう

秋に生まれて

名つけ祝の日に死んだあの子は

ほんの少しお乳をのんだだけで

ほんの少し空気を吸っただけで

手の届かない処へ行ってしまった

   

今日は彼岸

春を知らないあなたに

優しいかわいい菜の花をあげよう

私に残してくれた

小さな思い出のような花を

  

  

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