サルビアの花咲く日

祖母の詩

何処までも青く澄んだ空の

其のはるかな果を思う日

まぶしいほど生々した眞赤な花に

切れそうなノゾミをつなぐ日

無心に土に帰る花びらもあり

任せきった安らかな姿に

ふと静かなつぶやきを聞くのです

  

生まれてこのかた

沢山な人に支えられ

許して貰う事の方が多い私

なけなしのお金を貸して

行方不明になった人の事も

娘をむちうち症にした人の事も

数々の恨みごとは忘れましょうと

優しくささやきかけるのです

  

タビの七十倍迄

許せる人になりたいと祈る日は

心がかるくなりました

何時も仰いだ空だけど

不思議に深く明るく見えました

何時も見ている花だけど

輝くばかりの緋の色で

今日は炎のようにも咲きました

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